1968 年 81 巻 966 号 p. 582-589
1. ヒマワリの6品種の花粉のちがいを, 免疫電 気泳動法によって調べた.
2. 黒粒種ヒマワリの花粉の抗血清に対して, 他 の6品種のヒマワリの花粉の抽出液は, いずれも15 本の沈降帯を示した.
3. 品種毎に沈降帯の一部が少しずつちがってい たので, それを詳細に調べ, 記録した.
4. 花粉の沈降帯の差をみることによって, 植物 の品種名を推定することができた.
5. 沈降帯の数は, 近縁の植物間におけるほど多く, たとえばヒマワリとヒマワリ, チューリップと チューリップの間には多数, チューリップとヒマワ リとの問には一本の沈降帯, オオキンケイギクと ヒマワリとの間には5~6本の沈降帯がみられた.
6. 花粉を使う免疫電気泳動法は, 植物の分類, 系 統, 遺伝, 生理などのあらゆる分野に利用できると 考えられる.