植物学雑誌
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Tetraphis pellucida (ヨツバゴケ)の原糸体形成に関する研究
西田 雄行
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1970 年 83 巻 990 号 p. 423-427

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抄録

本研究では Telraphis pellucida の胞子発芽による原糸体形成および茎葉体の芽の分化について観察を行ない次の事枝が明らかになった.
(1) 本種の原糸体は多数の分枝をもつ chloronema, caulonema, 単層で平面的組織をもつヘラ状の葉状原糸体および仮根の1つの要素で構成されている.
(2)本種の葉状原糸体形成には2つの様式があり, 1つは chloronema の分枝の先端細胞が葉状原糸体の始原細胞になって形成される場合であり,他は若い茎葉体の基部の細胞から葉状原糸体の始原細胞を形成する場合である.
(3)葉状原糸体が連続的に第一次から第三次まで分化する.
(4)本種の茎葉体形成には2つの様式があり, 1つは葉状原糸体の基部に形成される場合であら, 他は葉状原糸体の媒介なしにcaulonema 上に形成される場合である.
(5)1本の新しい茎葉体の基部から連続的に3-4本の茎葉体が形成された.

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