1980 年 22 巻 4 号 p. 377-384
経過の途中急速進行性糸球体腎炎を呈し死亡したidiopathic retroperitoneal fibrosis(52歳,女性)の1例を報告した。剖検では諸臓器小動脈の血管炎がみられ,腎では壊死性糸球体炎を伴った管外増生性糸球体腎炎が認められた。臨床経過より,これら腎ならびに血管病変はヨードによるhypersensitivity angiitisを基盤として発症したと考えられた。retroperitolleal fibrosisの発症機序としてangitisを考え,その方面より考察を加えた。 本症例の概要は昭和54年5月第9回日本腎臓学会東認々会において報告した。 また本研究のこ一部は厚生省特定疾患「糸球体障害」調査研究費によった。