日本緬羊研究会誌
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けい牧中のめん羊の生体反応-食草, 環境温湿度および日射との関係について
山本 禎紀伊藤 敏男三村 耕
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1968 年 1968 巻 5 号 p. 12-17

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抄録

雑草地と牧草地にけい牧した6頭のめん羊 (コリデール種) について, 呼吸数, 心拍数, 直腸温等の生体反応を測定し, 気温, 日射, 食草等の影響について観察した。
夏季日向でけい牧した場合, 環境温度調節室での実験から得た値より, 呼吸数では50~70回/分増, 心拍数では15~35回/分増, 直腸温では0.4~1.1℃高い値を示した。この日射下で食草中の影響を呼吸数の増加から環境調節室内の温度に換算して求めると, 10~17℃高い状態にあたると推定された。
日向で食草中の生体反応は日陰に変わることにより呼吸数は20~60回/分減, 直腸温では0.2~0.3℃降下, 心拍数には変化を認めなかった。この呼吸数の減少は同様に環境調節室の温度に換算すると約4~12℃に見積ることのできるものであった。
牧草地にけい牧すると心拍数の増加と経時的な漸増が特徴であった。心拍数についてはエネルギー代謝や採食量との関係で考察した。
食草中の増加した呼吸は, 高温環境下でみられる浅い呼吸ではなく, やや深めの呼吸型であった。

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