1981 年 72 巻 11 号 p. 1385-1398
105例の一次的, 機能的夜尿症の膀胱内圧測定所見を分析した.
69%が uninhibited contractions を呈する unstable bladder であつた. 11%の症例に Besacholine 注射により unstable pattern が誘発された. stable bladder は20%であつた.
臨床症状として, 昼間遺尿を伴う群では, 夜間遺尿のみの群に比較し, unstable bladder が多かつた. 12歳以上の比較的高齢の群では, unstable bladder がそれ以下の年齢群に比べ少なかつた. 膀胱容量は年齢と伴に増大しているが, 同年齢正常児群に比べ, 小さいことが推察された. 昼間遺尿を伴う群では, 伴わない群に比べ, 膀胱容量は小さかつた. unstable bladder では膀胱容量は小さく, stable bladder では小さくはなかつた. 排尿圧は男子で女子より高く, unstable bladder では stable bladder に比べ高かつた.
以上の成績から, 夜尿症の病因追及および治療計画のための手段として, cystometry が重要な検査法であることを主張した.