日本泌尿器科學會雑誌
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両側睾丸腫瘍の5例
本邦118例の統計的考察
吉田 正林町田 豊平増田 富士男三木 誠大石 幸彦上田 正山柳沢 宗利谷野 誠岸本 幸一川口 安夫
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1981 年 72 巻 4 号 p. 460-472

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抄録
1973年より1980年までの過去7年間に当科ならびに関連病院で5例の両側睾丸腫瘍を経験した. 2例 (32歳, 33歳) は, 左右の組織を異にする症例で, 文献上本那16, 17例目で2例とも両側生殖細胞性腫瘍であつた. このうちの1例 (32歳) は, 本邦の左右組織を異にする両側睾丸腫瘍症例中, 両側同時発見された第2例目であつた. 残りの3例は左右の組織が同一の症例で, リンパ肉腫2例 (7歳, 57歳), 精上皮腫1例 (54歳) であつた. リンパ肉腫の1例 (57歳) は, 本邦で異時発生した両側睾丸リンパ肉腫例の第1例目であり, 精上皮腫例は一側発生後22年経過し他側に発生したもので, 本邦では2番目に長い期間を隔て発生した例であつた.
自験例を含め, 本邦文献上の左右の組織を異にする17例と左右の組織が同一の101例の計118例を集計し, 本症の頻度, 年齢分布, 睾丸の位置, 発生の時期と病因, 組織学的分類, 予後について考察した.
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