1983 年 74 巻 8 号 p. 1339-1345
尿路感染症や下部尿路通過障害を伴なわず, 頻尿・尿意逼迫 (urgency) や逼迫性尿失禁 (urgeincontinence) を訴える14例と腹圧性尿失禁 (stress incontinence) を訴える核下型神経因性膀胱1例に対し, 間歇的な肛門外括約筋電気刺激療法を行なつた. 前者においては10例 (70%) に自覚症状の改善を認めたが, 後者においては著変を認めなかつた. 本治療法は電気刺激中, 肛門に軽度の疼痛を覚えるのみで他に副作用はなく, 刺激終了後も効果は持続しており, 中枢性排尿反射亢進によると考えられる尿意逼迫・逼迫性尿失禁・頻尿に対するすぐれた治療法である.