日本泌尿器科學會雑誌
Online ISSN : 1884-7110
Print ISSN : 0021-5287
排尿機構に関する検討
第9報 間歇的肛門外括約筋電気刺激による尿意逼迫, 逼迫性尿失禁の治療
金子 茂男朴 英哲国方 聖司神田 英憲八竹 直栗田 孝
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 74 巻 8 号 p. 1339-1345

詳細
抄録

尿路感染症や下部尿路通過障害を伴なわず, 頻尿・尿意逼迫 (urgency) や逼迫性尿失禁 (urgeincontinence) を訴える14例と腹圧性尿失禁 (stress incontinence) を訴える核下型神経因性膀胱1例に対し, 間歇的な肛門外括約筋電気刺激療法を行なつた. 前者においては10例 (70%) に自覚症状の改善を認めたが, 後者においては著変を認めなかつた. 本治療法は電気刺激中, 肛門に軽度の疼痛を覚えるのみで他に副作用はなく, 刺激終了後も効果は持続しており, 中枢性排尿反射亢進によると考えられる尿意逼迫・逼迫性尿失禁・頻尿に対するすぐれた治療法である.

著者関連情報
© 社団法人 日本泌尿器科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top