1986 年 77 巻 8 号 p. 1349-1352
症例は74歳男性, 血尿の検査中に低尿酸血症 (1.1mg/dl) であることが判明した. 患者は尿酸結石を自然排石し, CTスキャンにて右腎結石が認められ, また尿酸クリアランスが著明に増加していた.
ピラジナミド (3.0g) 経口投与にて血中尿酸値は正常値まで上昇し, 尿酸クリアランスとクレアチニンクリアランスとの比 (Cur/Ccr) は低下した. プロベネシド (1.5g) 経口投与にてCur/Ccrは著明に上昇した. 以上の結果から, 本症例では腎尿細管における尿酸分泌が異常に亢進していると考えられた. その他に腎における排泄障害は認められなかった.
腎結石はアロプリノール (200mg/day) と重ソウ (6.0g/day) 投与により, 副作用なく溶解することができた.