1987 年 78 巻 12 号 p. 2155-2160
ウサギ膀胱を体部前壁, 後壁と底部前壁, 後壁 (三角部) に分けて平滑筋切片を採取し, 各部の平滑筋切片に対する acetylcholine, norepinephrine の反応を調べた.
Acetylcholine と norepinephrine は全ての部位の平滑筋を有意に収縮させた. しかし, 膀胱体部前壁, 後壁と膀胱底部前壁では acetylcholine の惹起する収縮が norepinephrine のそれより大きいのに対し, 膀胱底部後壁 (三角部) では逆に norepinephrine の惹起する収縮の方が acetylcholine のそれより大きかった. この点で, これまで膀胱は左右の尿管口を境にして体部と底部に分けられていたが, 薬理学的には三角部とその他の部位に分けられることが示唆された.