多孔性配位高分子に吸着された水分子の振動エネルギー散逸過程

抄録

本実験では、多孔性配位高分子(PCP)に吸着された水分子の状態を調べた。赤外分光を用いて、水の伸縮振動による吸収スペクトルとその温度変化を測定した。その結果、水分子の伸縮振動モードに起因するピークを2つ観測し、低温になるにつれて伸縮振動モードの固有周波数が低周波シフトし、線幅は減少することがわかった。この温度依存性からPCP内の水分子の伸縮振動は、2THzの振動モードと結合してエネルギー散逸していることを明らかにした。