ナノ秒パルスレーザーを用いたWドープVO₂の準安定金属状態の生成

抄録

近年、急冷を適用することにより、強相関電子系の準安定状態を生成できることが明らかになった。本研究では、ナノ秒パルスレーザーを用いて試料を局所的に急加熱し、パルス直後の熱拡散を利用することで、10^8^ K/sec程度の冷却速度を達成した。開発した急冷法をWドープVO_2_薄膜に適用し、熱力学的には絶縁体が安定な温度域において、準安定金属状態を生成することに成功した。