主催: 一般社団法人日本物理学会
会議名: 2016年度日本物理学会秋季大会
開催日: 2016/09/13 - 2016/09/24
流体力学は平衡状態近くの有効理論であり、相対論的重イオン衝突で作られる超高温物質の記述に適用されてきた。最近では流体中の熱揺らぎが注目を集めている。本講演では、与えられた背景流中でスケールの分離を行うことで、流体力学における熱揺らぎについての新しい見方を紹介する。具体的には、Bjorken膨張する背景流中でハードな流体モードの運動論的記述を導出し、粘性係数のくりこみ、長時間相関(Long-time tail)、粘性流体の微分展開の分数冪についての簡潔な理解を与える。