主催: 一般社団法人日本物理学会
会議名: 2016年度日本物理学会秋季大会
開催日: 2016/09/13 - 2016/09/24
対数平均力ダイナミクス(LogMFD)は、メタダイナミクスと同様に、平均力に基づく仮想的な力学系を構築することで、生体分子などの複雑な構造のコンフォメーションサンプリングを実現するMD手法である。またサンプリングと同時に自由エネルギーを求めることができる方法であり、メタダイナミクスやTAMDなどの従来手法より高い計算効率を示す。本研究では、LogMFDの拡張を提案する。通常のLogMFDでは、平均力の評価には短いMD計算を実行する必要があるが、ここでは複数のレプリカを用意して、各レプリカの並列MD計算によるデータから平均力を評価するアルゴリズムを構築した。これにより、時間を増やさずにより精度の高い平均力、さらには自由エネルギーの評価が可能になった。講演では水中アラニンジペプチドに対する適用を紹介する。さらに時間が許せば、アデニル酸キナーゼへの応用も紹介したい。