日本物理学会講演概要集
Online ISSN : 2189-0803
ISSN-L : 2189-0803
セッションID: 14pBE-6
会議情報

複数レプリカを用いた対数平均力ダイナミクスによる自由エネルギー計算
森下 徹也米澤 康滋伊藤 篤史
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

対数平均力ダイナミクス(LogMFD)は、メタダイナミクスと同様に、平均力に基づく仮想的な力学系を構築することで、生体分子などの複雑な構造のコンフォメーションサンプリングを実現するMD手法である。またサンプリングと同時に自由エネルギーを求めることができる方法であり、メタダイナミクスやTAMDなどの従来手法より高い計算効率を示す。本研究では、LogMFDの拡張を提案する。通常のLogMFDでは、平均力の評価には短いMD計算を実行する必要があるが、ここでは複数のレプリカを用意して、各レプリカの並列MD計算によるデータから平均力を評価するアルゴリズムを構築した。これにより、時間を増やさずにより精度の高い平均力、さらには自由エネルギーの評価が可能になった。講演では水中アラニンジペプチドに対する適用を紹介する。さらに時間が許せば、アデニル酸キナーゼへの応用も紹介したい。

著者関連情報
© 2016 日本物理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top