主催: 一般社団法人日本物理学会
会議名: 2016年度日本物理学会秋季大会
開催日: 2016/09/13 - 2016/09/24
内殻励起したCF4分子の解離ダイナミクスを、オージェ電子・イオン同期計測によって詳細に調べた結果について、報告する。本研究では、超高速解離によって生じた解離イオンCF3イオンの内部エネルギーを求めることによって、CF3+イオンの構造を求めた。その結果、超高速解離現象で生じたCF3+イオンは、NH3分子のように傘型の構造をしており、親分子CF4とほぼ同じ構造であると分かった。このことは、超高速解離では、CF結合だけが切断され、残りの3本のCF結合は振動励起など大きな変化がないことを意味している。一方、通常の解離過程で生じたCF3イオンでは、高い内部エネルギーを持ち、3つのCF結合が高い振動状態にあることがわかった。