熱伝導率測定から見た量子スピン液体Pr₂Zr₂O₇中のフォトン励起の研究

抄録

量子スピンアイスでは、強い量子揺らぎによりスピンアイスの基底状態(2-in-2-out構造)が融解され、極低温まで磁気秩序を示さない量子スピン液体状態が実現すると考えられている。我々は前回に引き続き、量子スピンアイスPr_2_Zr_2_O_7_において、低エネルギーの準粒子励起に敏感な測定手法である熱伝導率測定を行った。その結果、熱伝導率は低温でフォトン励起に特徴的な振舞いを示した。本講演ではそれについて報告したい。