京都大学人文科学研究所
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生と死が不可分なものであるように、生成と崩壊もまた不可分である。両者を貫く論理を探るためには、emergenceと共にcollapseを論じる必要がある。本講演ではこの問題を貨幣のモデルを通じて論じる。このモデルにおいて、制約された合理性を持つ主体が利己的に行動することで、交換のただなかに貨幣が自成する。しかしその貨幣は、それを産み出したのと同じ主体の利己的行動によって自壊する。すなわち、経済空間に形成される構造たる貨幣が、同じ一つの論理によって発生し、消滅することが示される。
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