主催: 第94回日本薬理学会年会
会議名: 第94回日本薬理学会年会
回次: 94
開催地: Sapporo
開催日: 2021/03/08 - 2021/03/10
急性骨髄性白血病 (Acute Myeloid Leukemia: AML)は未熟な造血幹細胞または前駆細胞のクローン性増殖を特徴とする血液がんの一つである。AMLにおいて最も高頻度に認められる遺伝子変異としてFms-like tyrosine kinase 3 (FLT3)遺伝子の変異(遺伝子内縦列重複変異とチロシンキナーゼドメイン変異)が知られている。変異型FLT3はリガンド非依存的に恒常的活性化しており、異常増殖の原因になっている。ギルテリチニブはALK阻害剤研究の中で合成された化合物であり、その創薬研究の過程でFLT3阻害作用が見出されたことからFLT3変異陽性AML患者を適応疾患として研究開発された。本薬は国際共同第III相試験によってFLT3変異陽性患者に対する治療効果が立証され、一昨年、日本及び米国において「再発又は難治性のFLT3遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病」を適応として世界で初めて承認された。本発表ではAMLの病態、AMLにおけるFLT3の役割、ギルテリチニブの非臨床データなどについて紹介する。