2024 年 4 巻 1 号 p. 1_81-1_87
目的:本研究では,臨床実習指導者(CE)の教師効力感を把握するための基礎資料を得るため,通常学校の教師を対象として開発された「教師効力感尺度日本語版」をCEに対して実施した場合の信頼性と妥当性を明らかにすることを目的とした。対象と方法:CE328名を対象に「教師効力感尺度日本語版」30項目に対する質問紙調査を実施した。結果:CEの教師効力感を測定する尺度として4因子「指導効力への期待」「学生理解への自信」「指導力向上への期待」「指導以外の影響」13項目(本尺度)が抽出された。結語:探索的因子分析より質問項目の17項目が削除されたことから,本尺度でCEの教師効力感を測定するには信頼性と妥当性に課題があることが示唆され,CEの教師効力感を測定できる信頼性と妥当性の高い心理尺度を新たに開発する必要があると考えられた。