2025 年 5 巻 1 号 p. 1_7-1_14
目的:理学療法士のストレス対処能力と理学療法臨床能力の関連を明らかにすること。方法:在職中の理学療法士を対象に横断的なWEBアンケートを実施した。調査内容は,年齢,性別,理学療法経験年数,ストレス対処能力,理学療法臨床能力とした。ストレス対処能力は13項目7件法版首尾一貫感覚尺度(以下,SOC-13)を,理学療法臨床能力は理学療法臨床能力評価尺度(以下,CEPT)を用いて評価した。結果:回答数は238名,回収率は30.8%であった。経験年数で統制したSOC-13とCEPTの偏相関分析では,経験年数6年目以上群でのみ有意な弱い正の相関があったが,サンプル全体と経験年数5年目以下群ではほとんど相関はなかった。結論:経験年数の短い理学療法士では臨床能力が高いにも関わらずストレス対処能力が低い者が存在することに注意を払う必要がある。