日本放射線影響学会大会講演要旨集
日本放射線影響学会第51回大会
セッションID: EO-1-2
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放射線治療・修飾
X線誘発損傷に対するシリビンとその類似体のin vitroでのDNA防護効果
*付 海英林 銘章端  邦樹室屋 裕佐藤井 健太郎勝村 庸介横谷  明徳鹿園  直哉籏野 嘉彦
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キーワード: シリビン, DNA, 防護
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抄録
天然のフラボノイドであるシリビン(SLB)、ヘスペレチン(HESP)、ナリンゲニン(NAN)、ナリンギン(NAR)は、報告にあるような植物によるがんの化学防護作用を説明する成分であると信じられている。しかし、発がんを抑制するシリビンやその類似体の濃度は低く、分子的なメカニズムは明確ではない。本研究では、in vitroでのプラスミドDNAと一定の捕捉剤の条件下で放射線によって活性酸素(ROS)を発生させる方法を用いて、これら4つのフラボノイドがフリーラジカルによるDNA損傷を改善することを明らかにした。0.1 mMのSLBによるプラスミドDNAを50 パーセント防護するためのdose modifying factorは8.9となった。測定したフラボノイドの中ではSLBが最も効果的に働き、μMオーダーの濃度で効果が見られた。高速反応を追う化学的手法を組み合わせた研究結果はSLBからDNA上のROSが誘発したラジカルに電子(もしくは水素原子)移動のメカニズムを示した。これらの結果は、DNAラジカルとの直接的な相互作用におけるSLBや類似体の抗酸化効果を支持している.
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© 2008 日本放射線影響学会
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