抄録
わが国のITSの歴史と現状を振り返った後、安全運転支援システムが普及していないことを指摘する。そしてこの原因のひとつとして、システムの開発が自然科学者や技術者だけで行われていることにあることを指摘する。通常、人間は自然科学者や技術者では理解できない非線形性を持っており、ドライバと開発された安全運転支援システムとの間には何ら課の相互作用が存在する。この相互作用は、自然科学者や技術者では理解されない。これとは対照的に、心理学等の社会科学者はこういった相互作用を理解することを得意としている。したがって、著者は、社会科学者と連携した開発が必要であることを指摘している。