人工知能学会研究会資料 知識ベースシステム研究会
Online ISSN : 2436-4592
86回 (2009/8)
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知識情報処理システムの近未来
瀧 寛和
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p. 01-

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抄録

知識情報処理システムは、世の中の役に立っているか? 確かに、さまざまな問題解決に知識情報処理システムが利用されている。しかし、問題解決の一部に、人工知能研究の成果が活用されているにすぎない。WEB 上の検索や購買推薦システム、カーナビなど非常に実用的なシステムである。これらが人の高度な処理の支援になっている点は大いに評価できるが、知能を発揮し、知識を駆使しているのは人である。人は、定まった閉世界での問題解決でなく、不足する知識を補い、矛盾を回避しながら知識を活用している。オープンな環境での知識活用の研究も開始されているが、原理的な解明よりも効果のみに注目した対処療法的なシステムに偏っている。そこで、実世界に融和する新たな問題解決のアーキテクチャが必要となっている。知識情報処理システムの進化過程を分析することで、これからの技術発展、技術融合、技術深化を探る。新たな問題解決に、どのようなコンセプトが重要となり、どのような定式化が進み、新たな応用が広がるかを論じることにする。

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© 2009 (社)人工知能学会
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