2006 年 2006 巻 SAI-002 号 p. 01-
震災などの災害時には瓦礫による閉塞などで道路網は大きな打撃を受け,平常時から状況が大きく変化する.それに加えて平常時には標識やカーナビなどで容易に得られる道路や交通状況の情報が得られなくなることで,災害時はドライバが行動を決定するために必要な情報が非常に乏しい状態だと言える.阪神・淡路大震災で通行可能だと判明した主要道路に車両が殺到し大きな渋滞が発生したように,このような状態では,交通当局がどのような情報を提供するかが状況に大きな影響を与えると考えられる.本研究では,災害時を想定した道路ネットワーク上で交通管理策と一般車両が得られる情報の種類でどのように交通状況が変化するか,交通シミュレーションによって検証する.