人工知能学会第二種研究会資料
Online ISSN : 2436-5556
少数派ゲームにおけるエラーの生起確率が社会的効率に及ぼす影響
河又 裕士秋山 英三
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2011 年 2011 巻 FIN-006 号 p. 14-

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抄録

本研究では、少数派ゲーム(MG) において、「エージェントがエラーを起こす確率」が「社会的効率」に与える影響を分析した。発生するエラーとしては、次の4 種類: (1)ImplementationError(行動選択のエラー), (2)Perception Error(ゲーム結果の認識のエラー), (3)Strategy Error(戦略の予測のエラー), (4)Memory Error(記憶のエラー) を考え、エージェントが各エラーのうち1 種類を起こす状況を分析の対象とした。結果、エージェントの記憶長が短い場合において次のことが分かった。エージェントが(2)-(4) のいずれかのみを起こす状況では、エージェントのエラー確率がゼロの極限のときに、最も社会的に効率的な状態が実現される。つまり、エラーがまったく起こらないときや、エラーが頻繁に起こる場合より、エラーがほんの少し起こるときに社会的効率が最大化される。一方、(1) を起こす状況では、エラー確率が50 % に近づくにつれ社会的に効率な状態が実現される。

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© 2011 著作者
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