人工知能学会第二種研究会資料
Online ISSN : 2436-5556
阿吽の呼吸型対話AI構築を目指して
栗原 聡坪井 一晃藤田 直哉芦原 佑太
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2015 年 2015 巻 AGI-001 号 p. 10-

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抄録

シンギュラリティを我々が実現させるかどうかは不明にせよ,人工知能(AI)が今後かなり進化するであろうことを否定する研究者はいない.昨今のDeep Learning(DL)ブームもそろそろ落ち着く段階となり,研究目的の細分化が顕著になるであろう.著者は,ツールとしてのDLに興味があるのではなく,DLと脳科学の知見を融合させ,人が知性を創発させる原理を解明し,これを工学的に利用する方法論の確立に興味がある.人が知能を獲得するに至った理由は「生存」するためであり,そのための言語獲得であり,コミュニティ(社会性)を形成するためのインタラクション能力の獲得であるが,現時点でのAIが最も苦手とするのが,このような人同士では当たり前の能力なのである.そこで,本稿では今後のAIの飛躍的進化のために超えるべき壁となる人とのインタラクションが必須なAIが持つべき能力である,「場の空気を読む」「阿吽の呼吸」「リアクティブ性」「適応性」「学習の追加・再利用・組み合わせ」等の機能実現に向けたアーキテクチャ構築について考察する.

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© 2015 著作者
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