2016 年 2016 巻 FIN-016 号 p. 51-
これまでの実証分析によって株価の変動は単純なランダムウォークではなく、いくつかの特徴があることが知られている。例えば、(1)収益率の自己相関は小さいが、絶対値収益率の自己相関は長期にわたっている、(2)収益率分布は正規分布とは違い、裾野の広がった分布をしている、(3)ボラティリティクラスタリングが現れる、等の特徴がある。これらの特徴を捉えた、非常に簡単なモデルとしてBornholdtのイジングモデルがある。本研究では、このモデルを相互作用のある複数の株価時系列モデルに拡張し、シミュレーションを行った。その結果、元のモデル同様の株価の変動の性質を持ちつつ、且つ株価のボラティリティ間に相関のあるモデルとなることが分かった。