2016 年 2016 巻 SAI-027 号 p. 06-
本研究では,カメラや各種センサを利用した高度な見守りサービス(以下,生活支援サービス)の利用を阻害する要因(以下,利用阻害要因)は利用者のパーソナリティに影響されると想定し,利用阻害要因とパーソナリティの関係性を分析した.具体的には,生活支援サービスのプロトタイプを作成し,育児世帯2世帯の実生活環境にセンサ機器を設置し2週間生活を行ってもらった後,デプスインタビューによって利用阻害要因を抽出した.その後,中学生以下の子を持つ親2,029名へのWebアンケートによって,生活支援サービスの利用意向及び利用阻害要因とパーソナリティの5 因子モデルとの関係性を調査をした.その結果,外向性,協調性の高い人は生活支援サービスの利用意向が高くなる一方,情緒安定性の高い人は利用意向が低くなること,情緒安定性と家族のプライバシーには負の相関が強いことなど,利用意向及び利用阻害要因は,利用者のパーソナリティに影響されることを明らかにした.