2017 年 2017 巻 AGI-006 号 p. 10-
等価性構造抽出技術は,属性が特定されない多数の系列に対し,その一部の「系列の組」を系列間の関係とみなし,等価と見なしうる系列の組を発見する技術である.たとえば同一もしくは異なる時系列データから,必ずしも同時でない時刻(非同期)に共通した部分系列を含む系列の組を発見する.そこで本稿では,異なりつつも共通部分を含むデータにもとづいて教師あり学習を行った二つの多層パーセプトロン(MLP)について,その隠れ層に含まれる共通部分を抽出するた めの準備をすすめた.等価性構造を抽出しうる二つのデータ内に共通する振る舞いが含まれることを確認し,その上で等価性構造抽出技術を適用すれば,等価性構造が得られうることを示す.