2017 年 2017 巻 BI-007 号 p. 02-
過去の株価データセットで, 取引コストを考慮しても超過収益が得られ手法が報告されているが, 用いられたデータは生き残りバイアスがかかっており, その時点で取引可能な全株式を対象にしたものではなかった. 我々は, 株価変動における特定の局面で, 一定期間のリスク(ボラティリティ・最大ドローダウン・移動平均乖離率)や「流動性」が, 株価変動に与える影響を米国の全株式(1985‾2017年,上場廃止銘柄も含んだ40,000銘柄強)および,生き残りバイアスのかかった日米の株式データ(1999‾2016年)を比較対象として検証した. 本研究では, テクニカル分析を用いて下落局面での株式購入タイミングを定義し, その後の価格変動をクロス・セクション・データとして分析し,興味深い知見を得たので報告する.