2018 年 2018 巻 FIN-021 号 p. 87-
本研究では、1 分ごとのビットコイン価格データをもとに、その収益率時系列の統計的性質を調べた。収益率時系列の性質は他の金融時系列によく見られるファットテイル分布となっていることが分かった。ボラティリティの時間変動はGARCH 及びRGACH モデルによって解析した。その結果、ボラティリティの持続性は大きく、またボラティリティプロセスの非対称性は小さいことが分かった。尖度は非常に大きいが、時間スケールが大きくなるにしたがってゆっくりとガウス分布の値に近づくことが分かった。マルチフラクタル解析からは、一般化ハースト指数h(q)を決定した。一般化ハースト指数はq の値に依存し、マルチフラクタル性を持つことがわかった。更に、絶対値収益率のべき乗の自己相関を調べたところ、べき指数が約0.4 のところで自己相関が最大となり、ビットコイン価格時系列にテイラー効果が存在することが分かった。