人工知能学会第二種研究会資料
Online ISSN : 2436-5556
高頻度電力需要データを用いた製造業活動のナウキャスティングモデルの構築
水門 善之和泉 潔坂地 泰紀島田 尚松島 裕康
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2019 年 2019 巻 SAI-035 号 p. 01-

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抄録

景気の先行きを考える上で,製造業の生産活動の活況度合いをいち早く把握することは重要である.製造業が生産活動を行う際には電力が消費される点を踏まえ,本研究では,大手電力会社が公表する 5分ごとの電力需要データに着目することで,製造業の活動状況を高い速報性をもって推計するナウキャスティングモデルを構築した.具体的には,日中の電力需要の高頻度データに対して主成分分析を行うことで,電力消費の変動パターンを表す主成分ファクターを抽出し,それらを用いて,製造業の生産活動を推計する正則化回帰モデルを構築した.なお,製造業等の生産活動を表す公式統計としては,経済産業省が集計する鉱工業生産指数が挙げられるが,本提案手法に基づくと,同指数の公表よりも一カ月程度早い製造業活動の推計が可能となった.更に,本手法に基づく生産指数の推計結果は,同指数の公表前に集計された市場予想平均値と比較して,高い予測精度が実現できることを確認した.

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© 2019 著作者
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