2021 年 2021 巻 SWO-053 号 p. 04-
日常生活行動を対象とした研究の多くは,機材や実験スペースを要するものであり,条件を柔軟に変更してデータを取得することは容易ではない.今後,日常生活の分析には,リアルなデータを取得できる物理環境と,条件を柔軟に変更して大量の実験を施行できる仮想環境の,双方で得られるデータを相補的に組み合わせる需要が増すと考えられる.さらに,収集したデータから物体や行動を認識することに加えて,抽象的・背景的な知識を付与することで,意味レベルで日常生活を分析することが可能になる.本研究では,日常生活行動に関する様々な分析を可能にするため,仮想空間を用いた日常生活行動のシミュレーション結果をもとにナレッジグラフを構築する手法を提案する.まずオントロジーを構築し,オントロジーに基づいて仮想空間シミュレーション結果をナレッジグラフ化した.また,複数の行動を組み合わせることによるナレッジグラフの増強手法を提案した.オントロジーおよびナレッジグラフの構築について考察し,今後の発展性について述べる.