2022 年 2022 巻 FIN-028 号 p. 105-
近年,局地的大雨の事象は年々増加し,水災害により甚大な経済的ダメージを被る事例が増えている.特に,被災地では当座の生活における安定的な決済手段が必要であり,これまでは現金決済が最も有用な手段の一つと考えられてきた.しかし,現在は,国内でキャッシュレス決済が推進され,都心部を中心に現金決済の比率が減少傾向であり,災害時における現金需要の行動様式にも変化をもたらす可能性が考えられる.このため,本研究では,自然災害のうち大雨の事例にフォーカスし,降雨情報(国土交通省のXRAIN)と金融情報(銀行ATM 統計情報)の異分野データを互いの位置情報を利用して融合する新たな手法により,降雨発生時における現金需要の動向を分析した.