2023 年 2023 巻 BI-023 号 p. 15-
社会技術システムの設計・実装のため,構成的な接近法として,エージェントシミュ レーションが用いられている.しかし,多様な背景を持つステークホルダーに対し,モデルの構造やシミュレーションの全体的な結果を理解・共有させることが課題となっている.先行研究ではシミュレーション結果を自然言語により記述しビジネスケースと接地させる方法論が存在するが,本稿では当該手法の改善提案を行う.具体的には,1)シミュレーション結果を大域的に分析し系統的に分類する,2) 分類結果につき大規模言語モデルを用いて自然言語により書き下す. このことにより,シミュレーション全体の構造を俯瞰し「あり得る結果」を同定した上で,それに基づき半自動的に仮想的なビジネスケースを作成しうることを確認した.