人工知能学会第二種研究会資料
Online ISSN : 2436-5556
日常生活行動知識グラフとRAGに基づく家庭内危険行動の理由と根拠提示システム
穴口 史将森田 武史
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2024 年 2023 巻 SWO-062 号 p. 05-

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抄録

本研究では,ナレッジグラフ推論チャレンジ【実社会版2022】が提供するデータセットを対象として,家庭内危険行動の理由と根拠を提示可能なシステムを提案する.まず,日常生活行動知識グラフから高齢者の家庭内危険行動を抽出する.次に,大規模言語モデル(GPT-3.5)を用いて,その行動が危険である理由を提示する.さらに,高齢者の家庭内事故に関する文献から,RAGを用いてこの理由に類似する文を生成し,検索エンジンの検索結果と共にユーザに根拠として提示する.最後に,根拠オントロジーに基づいて,この根拠の知識グラフを構築する.提案システムが家庭内危険行動の理由を適切に生成できるか,また,この理由に対して提案システムが提示する根拠が適切であるかを評価するために,大学生15名に対してアンケートを実施した.アンケートの5段階評価の平均値は,それぞれ3.6と2.6となった.結果として,提案システムは家庭内危険行動の理由に対する一般的な根拠を示すことができた.次に,提案システムが提示する根拠の正確性を評価した.結果として,検索エンジンが家庭内危険行動の理由に類似する箇所を根拠として検索できることを確認した.

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