JSAI Technical Report, Type 2 SIG
Online ISSN : 2436-5556
Portfolio Optimization Using Deep Learning with Risk Aversion Utility Function
Kenji KUBOKei NAKAGAWA
Author information
RESEARCH REPORT / TECHNICAL REPORT FREE ACCESS

2024 Volume 2024 Issue FIN-033 Pages 169-176

Details
Abstract

本論文では、深層学習~(DL)を用いたポートフォリオ最適化に取り組む。DLにより、従来のCAPMやファクターモデルでは扱えなかったリターンの非線形性をモデルに組み込むことが可能となった。しかし、DLを用いたポートフォリオ構築においても、リスクとリターンのトレードオフを最適化することが重要であり、このトレードオフを考慮するためにSharpe lossという損失関数が提案された。この方法は、実証的に有用であるが、Sharpe lossには理論的問題がある。まず、損益が負の値を取る場合、その解釈が難しく、非直感的なポートフォリオを構築すること、次に確率的勾配降下法を用いた際に、勾配が不偏推定量とならないことである。そこで本論文では、DLを用いたポートフォリオ最適化のためのリスク回避型効用関数を用いた新しい損失関数を提案する。リスク回避型効用関数は損益が負の場合でも解釈が容易であり、また、勾配が不偏推定量となるため、Sharpe lossが抱えていた問題を回避することができる。加えて、DLからの出力をベースライン戦略のウエイトから差分とすることで、より優れたポートフォリオが構築可能であることを示す。提案手法の有効性を確認するためにS\&P500の過去データを用いた実験を行った。提案手法がSharpe ratioを含めたいくつかの指標でSharpe lossを用いた場合よりも良いパフォーマンスが得られることを示す。

Content from these authors
© 2024 Authors
Previous article Next article
feedback
Top