2024 Volume 2024 Issue FIN-033 Pages 197-203
既存の研究で約定により株価が変動した後、300秒以内に90%の頻度で前の株価に戻るという特徴を使用した株式売買アルゴリズムを提案した。提案したアルゴリズムは、取引により株価が上下に変動したときに注文を出し、株価が変動前の水準に戻ったときに保有株を売却(空売りの場合は買い戻し)して損益を計算する。しかし既存研究では、損失と利益の閾値を分析しておらず、株式取引アルゴリズムに課題があった。本研究では、より現実的なテクニカル分析を可能にするために、アルゴリズムに閾値を設定した。使用した取引データは、東京証券取引所の注文データである。その結果、損失閾値が一定以上になると利益が損失を上回ることが示された。市場の特徴は公正な株式市場を設計するための基礎情報として活用されることが期待される。