2025 年 2025 巻 BI-026 号 p. 31-
本研究では、アクセルロッドの文化の流布モデルを基にしたエージェント・ベース・シミュレーションを用い、学生と教師の相互作用が学習に与える影響を分析した。概念学習の重視度を示す指標としてLearning Indexを設定し、4,000回の試行からシミュレーションログを1つずつ分析し、最高値・最低値を比較した。その結果、異なる学習志向のグループ間の相互作用が学習成果に大きく影響し、中堅校の学習傾向は上位校・下位校のいずれにも近づくことが示された。概念学習の促進には学習レベルの高い学生をリーダーとし、体験学習にはグループ内の相互作用を活性化させることが重要であり、ネットワーク設計と学習方法の調整が学習成果に影響を与えることが示唆された。