人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会
Online ISSN : 2436-4576
Print ISSN : 0918-5682
93回 (2021/11)
会議情報

日本語母語話者と学習者の終助詞使用の比較 —「ね」を中心として—
斎藤 里美
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 202-205

詳細
抄録

背景と目的:日本人の日常会話では終助詞「ね」の使用が欠かせないと言われる一方、日本語学習者の「ね」の過剰使用が失礼に感じられるとの指摘がある。そこでI-JAS「多言語母語話者の日本語学習者横断コーパス」の海外環境、国内自然環境、国内教室環境の学習者および日本語母語話者計875人分の対話データから「ね」の使用を調べた。結果:100万語あたりの「ね」の使用頻度は母語話者>国内自然環境>国内教室環境>海外環境の順に多かった。「ね」の過剰使用ではなく、母語者とは異なる使用が学習者過剰使用の印象につながっている可能性がある。また、母語話者は男女、年代問わず協力者50人全員が終助詞「ね」を使用していた。今後の展望:「ね」の調査から、母語話の対話に「共話」的な特徴や、終助詞「か」から終助詞「ね」での応答、終助詞「よね」で共感するような対話が見られた。今後そうした点を数値的に明らかにしていきたい。

著者関連情報
© 2021(一社)人工知能学会
前の記事 次の記事
feedback
Top