人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会
Online ISSN : 2436-4576
Print ISSN : 0918-5682
99回 (2023/12)
会議情報

大規模言語モデルは心理カウンセリングを行うことができるか?:ロールプレイ対話データを用いた分析とカウンセラーによる評価
稲葉 通将高溝 恵子浮世 満理子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 166-171

詳細
抄録

日本における10~39歳の死因順位の1位は自殺であり,現在の日本社会におけるメンタルヘルスケアの問題は深刻である.世界的にも,うつ病・不安障害により年間1兆ドルの生産性が失われているという報告がある.そこで,情報技術を用いてメンタルヘルスに関する問題解決を目指した研究が活発に行われており,カウンセリングを行う対話システムの研究開発も行われている.カウンセリング対話システムの多くは大規模言語モデル(LLM)を活用して構築されている.しかし,LLMを用いたカウンセリング対話システムの性能の定量的な評価が十分に行われているとは言い難い.本研究では,現職のカウンセラーがカウンセリング対話を模したロールプレイを行ったデータを収集し,そのデータ中のカウンセラー役の応答をGPT-4が生成した場合の適切さを別の複数名のカウンセラーが評価した結果について報告する.

著者関連情報
© 2023 人工知能学会
前の記事 次の記事
feedback
Top