人工臓器
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ICUモニターによる高Na透析の最適制御
屋ケ田 和彦川口 博昌内間 高夫渡辺 俊文山田 豊柳沢 孝嘉大坪 修
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1982 年 11 巻 6 号 p. 1046-1049

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抄録
高Na透析における最適Na濃度は, コンパートメントモデル等により, ある程度理論的に求めることも可能である。しかし, 実際には, 患者の個体差, 透析中の食事や飲水,あるいは気分的なものまで影響するため, 何らかの形で生体の情報をフィードバックしてやることが必要であると思われる。
我々は, ICU高Na透析システムを用いて, 除水速度に対して, コンパートメントモデルあるいは, 過去の経験をもとに透析液Na濃度を設定し, その上で, 患者の血圧変動に合わせて透析液Na濃度を変更することによって, 安定な透析を行うことができた。
現在, これらの透析液Na濃度の制御を64KBのマイクロコンピューターを用いて, 自動的に行わせることを計画中であり, 将来は, さらに血液ガス, pH, BUN等の生化学データーをもフィールドバックさせ, 補液, 投薬, 血流量の制御等を自動的に行うシステムの開発を目指したいと思う。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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