人工臓器
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僧帽弁位に用いたIonescu-Shiley(IS)弁の弁サイズによる術後血行動態の検討
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1982 年 11 巻 6 号 p. 1119-1122

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抄録
IS弁によるMVR21症例を対象に, 使用弁サイズ別にI群(25.・27mm)・II群(29mm)・III群(31・33mm)に分け, その術緩急性期血行動態を検討した結果, III群が最も経過良好で, CI2.98±0.31~3.58±0.59L/min/m2, SI34.7±4.6~45.5±8.6ml/beat/m2, PVR 98±17~186±63dyne/sec/cm-5の間の変動であった。病態別にみるとIII群に属した症例はMSR・MR例で, 術前状態からみると最も重症群であった。またI群は, MS例が7例中6例を占め, 術直後の肺動脈圧の下降が少ない点, 左室容量が小さい点が術後血行動態に影響を与えていた。LA(mean)-LVEDPからIS弁の弁機能をみると, I群8.33±3.21mm-Hg. II群4.60±1.54mmHg. III群3.17±1.08mmHgで, 29mm以上の弁の弁機能が優れていた。IS弁によるMVR症例では, 31・33mmの弁, 病態別ではMR例の術後急性期血行動態が優っていた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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