人工臓器
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血漿成分分離膜に対する超音波及び温度の影響
谷 徹岡藤 太郎橋本 宇史松田 孝一上原 鳴夫角田 富士男中根 佳宏小玉 正智野木 立男田中 和実
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1983 年 12 巻 1 号 p. 141-144

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抄録

分画分子量10万のPMMA膜ミニモジユールを用い、全血からの血漿成分直接分離の可能性と人血漿を使つて血漿成分分離量及びグロブリンのSieving Coefficientに対する超音波、温度の影響を検討した。直接使用についてはグロブリン分離量が少い割に、Trans membren pressure上昇が著しく、これに起因すると思われる溶血や、leakage等を認め適当と思われない。超音波使用は血漿成分の経時的分離量低下に対して明らかに改善を認め、それも温度が高い場合により効果的であつたが、グロブリンでは余り効果が認められなかつた。又TMP田上昇に対しては、その10%程度の減少効果が認められた。温度による影響では、血漿成分分離量は温度が高い程多くなるが、同時に経時的減少も著しくなる。一方グロプリンのSCは低温時に改善する傾向を認めた。本モジユ一ルは0℃から45℃の温度での使用に良く耐えるが、超音波の長時間使用に対しては、さらにfiberの強化が必要と思われる。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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