選択的に免疫病的因子(リウマチ因子, 免疫複合体など)を吸着する, 物理化学的アフィニティを用いた新しい免疫吸着材(I-02)を開発した。I-02はポリビニルアルコールゲルにトリプトフアンをリガンドとして固定化した白色, 多孔性, 直径74~210μの球型ゲルである。
バッチ法による吸着性能テストでは, I-02は既存の免疫吸着材Protein A-Sepharose CL 4Bより, リウマチ因子および免疫複合体の吸着性能に優れていた。Ex Vivo I-02カラムへの血漿灌流実験において, フィブリノーゲンの減少以外, 凝固線溶系因子は殆ど変動せず, 血球, 血小板もほゞ一定し, 血液生化学的パラメータも著変なく正常範囲内にあり, 血小板減集能は不変であった。
慢性関節リウマチ患者4症例に5回I-02血漿灌流の臨床応用を試み, 満足すべき成績が得られた。