ポリ(2ーヒドロキシエチルメタクリラート)ゲル, 架橋型ポリウレタン, ボリサルホン, ポリスチレンーエチレン/1ーブテン共重合体ブロックボリマーをラット, ハムスター, モルモットの皮下組織に埋植し, 組織反応が動物種によってどのように変化するかを検討した。組織反応の種差は, 材料周囲に形成される線維性被膜の厚さ, 腫瘍形成性に顕著に表われた。被膜の厚さは, 材料によって多少差はあるものの, ハムスター・モルモットでは0.1mm以下であるのに対し, ラットでは0.2mm以上となった。腫瘍形成性もラットで最も顕著となり, 8ヵ月以上生存した動物について比較すると, ラットでは43匹中15例に肉腫が発生したのに対し, ハムスターでは14匹中1例に, モルモットでは10匹中1例も発生しなかった。安全性を含めて特に埋植用材料の生体適合性を評価しようとする場合には, ハムスターやモルモットよりも, ラットを使用するのがよいように思われる。