血液濾過器の性能評価

抄録

血液濾過器の性能を評価するため, 水溶液および牛血液を用いて実験を行った。血液濾過器の性能は, 透水性と溶質透過性によって判断することができる。透水性は, 水溶液, 牛血液ともに操作条件を一定にした場合の濾過係数Lpが性能指標となる。牛血を用いた場合Lpは, 生化学値と操作条件の影響を大きく受ける。濾過流量の圧力依存性は, High flux membrane程小さい。溶質透過性についてはSieving Coefficient (SC)を求めCut off curveを作製した。マーカーとしてpolyethy leneglycol, 牛血清アルブミンを選んだ。水溶液ではシャープなCut offを示した血液濾過器であっても牛血系では, かなりのSC低下を示し膜面に堆積するタンパク質, 血球分の影響が大きいことがわかった。また水溶液系では, 類似のCut offが得られても機種が異なると牛血系ではSCに差が生じた。このことは膜の性質の構造などがタンパク層付着に影響を与えることを示すものである。