1984 年 13 巻 2 号 p. 728-731
体液自動制御装置の一部として、血漿量自動制御装置を開発し、臨床例に応用した。血漿量を連続モニターする目的で、体外循環血液回路中で血液電気抵抗を測定し、ヘマトクリット値を算出した。この原理に基づき、血液量変化率検出器を開発した。更に、この検出器よりの信号に基づき、体外循環血液回路中にもうけた血液濾過器と補充液注入ポンプを制御し、血漿量を所定の値に自動制御する装置を考案した。この装置を用いて、4例の慢性腎不全症例に計7回の血漿量自動制御治療を実施した。いずれも、最初に設定した血漿量変化量と実測値がよく一致し、自動血漿量制御が血液量変化率検出器を使用して臨床治療に有用であることが確認された。この方法は腎不全症例のみならず、一般重症例の循環状態の自動管理や体液分布制御に広く応用可能である。