人工臓器
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円錐膜型人工弁の試作
木島 利彦横山 能周日下部 正宏大川 恭矩
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1985 年 14 巻 3 号 p. 1277-1280

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抄録

主として、補助循環用血液ポンプに組込むことを目的とした新型人工弁を考案した。本弁は円錐状の弾性膜と3本の支柱により構成され、弾性膜が中心方向にすぼまることによつて開放する偏心流型の三葉弁である。今回は円錐面の中心軸が管路中心軸と一致するものと、ある傾きを持つものの2種をポリウレタンにより試作し、Björk-Shiley弁と流体力学的な弁機能特性を比較検討した。比較は定常流試験, もれ試験, 大動脈弁位におけるMOCK回路試験の3つの実験によつて行った。その結果、膜厚が0.2mm以下のものについては、拍動流下でもBjörk-Shiley弁と同等の拍出流量が得られ、心拍数の増加に対する追従性も同等以上であることが確認できた。また、本弁は非常に単純な形状をしており、成形も容易であつた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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