抄録
WPW症候群3例を含む8例の上室性頻拍の患者に対し, 新しい頻拍治療用ペースメーカー(メドトロニック社製シンビオース7008)を植込み, 作動状況を観察した。このベースメーカーは通常のDDDペースメーカーに頻拍治療モードが加えられたもので, 心房バースト(Atrial Burst)心房心室固定順次刺激(A-V Dual Demand)心室固定刺激(Ventricular Dual Demand)の3つが設定できる。WPW症候群の2例は, A-V Dual Demand modeをセットし, 他の6例には, Atrial Burst modeをセットしてホルター心電図, テレメトリー機構にて, 作動状況を観察した。8例中4例でホルター心電図よりペースメーカーによる頻拍停止が確認できた。2例では, テレメトリー機構上, 頻拍発作が確認され自覚症状の改善より, 有効に作動しているものと推定された。他の2例では, 植込み後頻拍発作を認あていない。