人工臓器
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人工心肺使用体外循環における補体活性化の抑制の試み
―FUT-175を用いた実験的検討―
宮本 裕治広瀬 一松田 暉中埜 粛白倉 良太中田 精三笹子 佳門西垣 恭一高見 宏川島 康生北村 肇永木 和義
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1985 年 14 巻 3 号 p. 1536-1539

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抄録
人工心肺使用体外循環において血中補体が活性化され, その時出現するアナフィラトキシンが術後の肺, 腎等の合併症の誘因となると言われている。ところがこの活性化を抑制する試みはまだ見られない。そこで我々はこの補体活性化を抑制しひいては術後の合併症を予防しようと考えた。先ず補体活性化抑制作用の強いヘパリンを用いず人工肺及び回路のみのmodel circuitにおいて補体活性化のメカニズムを知り, 次に再使用人工肺及び補体活性化阻害剤FUT-175の効果を検討した。その結果,
1. model circuitではclassical pathway及びaltemative pathwayの両者が活性化されたが, classcal pathwayの活性化の方が強かった。
2. 再使用人工肺によって補体活性化は低下していた。
3. 3mg/500mlのFUT-175でmodel circuit中の補体活性化を強く抑制することができた.
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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